有限会社丸福商事
代表取締役　福島 晶彦（ふくしま まさひこ）
さいたま南倫理法人会　会長

2005（平成17）年、39歳で倫理法人会に入会しました。きっかけは、紹介を受けて訪問した翌日、当時会長だった國武さん（現相談役）からいただいた１枚のハガキでした。そこに書かれていた内容と、非常に達筆な文字に感銘を受け、この方の下で経営を学んでみたくなりました。

私が変わると、従業員や家族にも変化が！

振り返ってみると、とてもよいタイミングだったのではないかと思います。
当時は、創業者である父から社長を受け継いで1年半。店も本店１店舗だけで、会長職に退いた父も店頭には出ていましたが、経営については任されていました。業績も好調だったので、自分のやり方が正しいと、従業員や家族の意見を聞かなくなり、少し傲慢になりかけていた頃でした。

入会してモーニングセミナーに参加するようになり、会員の皆さんが互いに「ありがとう」という、心からの感謝の言葉を交わす姿に、私の考え方が変わっていったのです。

それまでの私は、お客様や従業員が話しかけてくるのを構えて聞き、返答していました。当たり前だと思っていたけれど、これではいけないと考えを改め、従業員や家族に対する感謝の気持ちを言葉にし、自分から積極的に働きかけるようにしたのです。人前で話すことの大切さを知り、従業員にも伝えるため、店でも毎朝の朝礼をスタートしました。

すると、私が変わることで、従業員も明るく積極的になるという、変化があらわれはじめたのです。お客様からは、「みんな元気で明るくていいね」とお褒めの言葉をいただけるようになり、素直で元気なことが大切だと実感しました。そういういい流れもできて、入会から1年半後に、待望の2店舗目をオープンすることができたのです。

一番の支えは妻と家族。感謝しています。

倫理をやっていて良かったと思うことは、自分の「我(が)」と向き合えるようになったこと。
嫌だとか、面倒くさいとか、好きとか、嫌いとか、自分のわがままが、会社や人間関係を良くもするし、悪くもする。そういったものから逃げずに、自分を見つめ直すことができるようになりました。

経営者になると、なかなか自分自身を見ることができない。今は弟、妻、長男も一緒に働いていますが、実の弟でさえ遠慮して言わないこともあるので、私にちゃんと意見を言って正してくれるのは、やっぱり妻と長男。2人のことは本当に頼りにしていて、感謝しています。この世で一番に私のことを考えてくれるのは、やっぱり妻なんですよね。

長男には、浦和東口店の店長を任せていて、妻もそこで一緒に働いています。大手スーパーに修行に出していたところ、父が亡くなったタイミングで「店を手伝いたい」と自分で決断して戻ってきてくれました。その気持ちがとっても嬉しくてね。
もともと寡黙なんだけど、一緒に働くようになってからは会話も増えて、店の経営についてもどんどん意見をくれます。27歳だから至らないところもあるけれど、私の父も若い私に任せてくれたから、私も長男に任せることにしました。意見が合わない部分も、いつか息子が私の立場になったらわかってくれるのかな、なんて思います。

2018（平成30）年には3店舗目を北浦和に出店し、最近は主にこちらに出勤しています。スーパーの仕事は朝から晩まで忙しいから、なかなか時間がとれないですが、いつか長男と2人でゆっくり飲みに行きたい。これは、自分が父とできなかったことです。男同士というのは、なかなか難しいもんですね（笑）

社長だから、もっと社長業をしたほうがいいのかもしれないけれど、私は現場が大好き。お店や従業員も好きだけど、お客様の話を聞くのが本当に好きなんです。しばらく本店に行けてなかったら、「顔がみられなくて寂しい」と、常連さんが北浦和までおしゃべりしに来てくれました。こういうやりとりがあるから、毎日、素直に純粋に喜んで、働くことを楽しんでいます。

倫理では経営だけではなく、人に感謝する気持ちや、妻や家族を大切にすることなど、本当に多くのことを教えてもらいました。自分と向き合うことで、私は前よりも自分のことを好きになることができました。
倫理法人会に興味を持った方は、ぜひ話を聞きにいらしてください。